食品工場の服装のルールは?HACCPとの関係性や作業着の選び方を解説 | シゴトモエール

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この記事を読んでいる方は「食品工場の服装にルールはある?」、「正しい着こなし方は?」と思っているかもしれません。


本記事では、食品工場の服装・作業着の構成からルールまで解説します。

食品安全管理の国際基準であるHACCPや服装・作業着以外のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。



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1.食品工場における服装・作業着の重要性

食品工場での服装・作業着は、食品安全を確保するための最も基本的かつ重要な要素です。

作業者の毛髪や汗、細菌などの人由来の異物混入を防ぎ、製品の品質と安全性を守る役割を担っています。

食品衛生法やHACCP認証では、適切な作業着の着用と管理が明確な要件として定められており、コンプライアンスの観点からも見過ごすことができません。


また、作業者自身の安全を確保し、効率的な作業を可能にする働きもあります。

近年では食品事故や異物混入に対する消費者の関心が高まっており、食品工場での服装管理の重要性は一層増しています。


2.食品工場での服装・作業着の構成

食品工場の服装・作業着は、主に以下で構成させます。


それぞれの特徴や注意点を解説します。


(1) 衛生帽子

食品製造現場での毛髪混入を防ぐ衛生帽子は、食品安全管理の最重要アイテムの一つです。

髪の毛は完全に覆い、耳まで確実に隠れるタイプを使用することが必須となっています。

素材は吸汗性に優れた不織布や綿製品が一般的で、使い捨てのディスポーザブルタイプや、洗濯可能な布製のものから、作業内容や工場の方針に応じて適切なものを選択します。


特に、後ろの髪が露出しやすいため、後頭部までしっかりとカバーできる形状が重要です。

また、帽子の内側にヘアーネットを併用することで、より確実な毛髪落下防止効果が期待できるでしょう。

定期的な交換や洗濯により、清潔な状態を保つことも重要な管理ポイントです。


(2) マスク

マスクは飛沫による製品の汚染を防ぎ、作業者自身の衛生管理にも重要な役割を果たす必須アイテムです。

不織布製の使い捨てマスクが一般的で、鼻からあごまでしっかりとフィットするものを選びます。

マスクの性能としては、飛沫防止効果が高く、通気性も考慮された食品工場向けの専用品を使用することが推奨されています。


また、着用時は鼻部分のワイヤーをしっかりと密着させ、サイドの隙間もできるだけ少なくすることが重要です。

作業中の会話や呼吸による製品への影響を最小限に抑えるため、正しい装着方法の教育と定期的なフィット確認が欠かせません。


(3) 作業服

食品工場の作業服は、外部からの異物持ち込みを防ぐ防護服としての機能を持ち、食品安全の重要な防衛ラインとなります。

襟元や袖口はしっかりと締まった設計で、ポケットは上部についているものを使用します。

これは、作業中にポケットから物が落下するリスクを最小限に抑えるためです。

素材は耐久性があり、洗濯による型崩れが少なく、毛羽立ちにくいものを選択することが重要です。


また、一般的に白色が採用されることが多い理由は、汚れが視認しやすく、洗浄や漂白処理がしやすいためです。

作業服のデザインは、食品への異物混入リスクを考慮し、ボタンやファスナーなどの付属品は必要最小限とし、外れにくい堅牢な仕様のものを使用します。


(4) ズボン

食品工場で使用する作業用ズボンは、裾からの異物混入を防ぐため、足首まできっちりとフィットするタイプを使用することが基本です。

ポケットは最小限とし、必要な場合は上部のみに配置するよう設計されています。

素材選びでは、静電気の発生を抑える特殊加工が施された生地を採用し、作業時の動きやすさも考慮した設計が求められます。


特に裾部分の処理は重要で、巻き込み防止のためのゴム入りや、マジックテープでの調整機能付きのものがおすすめです。

また、膝部分は屈伸運動が多い作業に対応できるよう、適度なゆとりを持たせつつも、だぼつきすぎない設計が求められます。


(5) 作業靴

作業靴は食品工場内の安全衛生管理において極めて重要な役割を果たします。

滑り止め加工された専用のものを使用し、外部からの汚染を防ぐため、工場内専用として厳格に管理する必要があります。

靴底は溝が深すぎず清掃がしやすい設計のものを選び、定期的な洗浄・消毒が欠かせません。

つま先部分は安全性を考慮し、硬質キャップ入りのものが推奨されており、万が一の落下物からの保護にも対応できます。


また、長時間の立ち作業に適した衝撃吸収性や、防水性能も重要な選択基準となります。

靴紐は異物混入のリスクを考慮し、シューレスタイプや、靴紐が露出しないカバー付きのデザインが好ましいでしょう。


(6) 手袋

食品に直接触れる作業では、使い捨ての衛生手袋の着用が必須です。

素材は作業内容に応じて、ビニール製、ニトリル製、ラテックス製など、最適なものを選択します。


アレルギー反応のリスクを考慮し、ラテックスフリーの手袋を採用する工場も増えています。

手袋の着用時は二重手袋を基本とし、外側の手袋が汚染された場合にも製品への影響を最小限に抑えられるよう対策しましょう。

また、作業内容の切り替わり時や、手袋に破損・汚れが見られた際は直ちに交換することが求められます。


3.食品工場での服装・作業着のルール

食品工場の服装・作業着には、以下のようなルールがあります。


一つずつ解説するので、しっかりと把握しておきましょう。


(1) 目だけが見える状態にする

食品への異物混入を防ぐため、作業者の露出部分は目の周り以外を完全に覆うことが食品工場での基本原則となっています。

マスク、衛生帽子、作業着で顔周りをしっかりとカバーし、髪の毛や皮膚の露出を最小限に抑えることが求められます。


特に、マスクと帽子の境目や、襟元との隙間から髪の毛が露出しないよう、着用時の確認が重要です。

また、汗の落下も製品汚染の原因となるため、マスクはしっかりと顔にフィットさせ、必要に応じて汗取りシートや専用のインナーキャップを併用することも推奨されています。

作業開始前には必ずミラーチェックを行い、露出箇所がないことを確認する習慣づけも大切です。


(2) アクセサリー類はつけない

食品工場では、指輪やネックレス、イヤリング、ピアス、ブレスレットなどのアクセサリー類の着用は絶対的な禁止事項として扱われます。

これらは製品への混入リスクが高いだけでなく、作業中の事故の原因にもなり得ます。


また、手洗い時の障害となり、アクセサリーの裏側や隙間に細菌が繁殖する可能性もあるでしょう。

時計についても、作業場での着用は禁止され、休憩室等の専用ロッカーでの保管が義務付けられています。

メガネを使用する場合は、落下防止のストラップを装着し、必要に応じて飛散防止フィルムの貼付が必要です。


(3) 作業服・作業靴は常に清潔なものを着用する

食品工場における作業服と作業靴の衛生管理は、製品の安全性を確保する上で極めて重要な要素です。

作業服は毎日専用の洗剤で洗濯を行い、適切な温度での乾燥と必要に応じて消毒処理を施します。


作業靴も同様に、毎日の洗浄・消毒が必須で、特に靴底は専用のブラシを使用して入念に洗浄しましょう。

汚れや破損が見られた場合は速やかに交換し、修繕・交換の記録を残すことも重要です。

また、作業服は個人別に複数枚用意し、汚れた場合にすぐに交換できる体制を整えます。

保管時は専用のロッカーや保管庫を使用し、外気や埃から守る仕組みが大切です。


4.食品工場とHACCPの関係性

ここからは、食品安全管理の国際基準であるHACCPについて解説します。

HACCPで定められているルールに則った服装を着用することで、適切な安全管理が可能です。

HACCPの概要とHACCPに則った食品工場の服装を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。


HACCPとは?

HACCPは食品安全管理の国際基準であり、原材料の入荷から製造・出荷までのすべての工程において発生しうる危害を予測し、重要管理点を定めて監視・記録する科学的な衛生管理手法です。

2021年からすべての食品事業者に導入が義務付けられ、製造環境の衛生管理、従業員の衛生管理を含む包括的な安全性確保が求められています。


特に重要なのは、危害分析(HA:Hazard Analysis)と重要管理点(CCP:Critical Control Point)の設定で、各工程でどのような危害が発生する可能性があるかを分析し、その危害を防止するために特に重点的に管理すべき工程を明確にします。

また、これらの管理状況を記録として残し、定期的な見直しと改善を行うことで、継続的な食品安全の向上を図ります。

このシステムは世界的に認められた食品安全の基準として、グローバルな食品取引においても重要な役割を果たしています。


HACCPに則った食品工場の服装

管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」では、食品取扱者の服装について、以下のように記述されています。

食品取扱者は、衛生的な作業着、帽子、マスクを着用し、作業場内では専用の履物を用いるとともに、汚染区域(便所を含む。)にはそのまま入らないこと。また、指輪等の装飾品、腕時計、ヘアピン、安全ピン等を食品取扱施設内に持ち込まないこと。

食品工場に勤務する方は、上記のポイントを必ず押さえた上で、適切な安全管理を徹底しましょう。

以下では、上記を踏まえた、食品工場の服装・作業着の特徴を解説します。


5.食品工場の服装・作業着の特徴

食品工場の服装・作業着には、以下の特徴があります。


それぞれ解説します。


(1) 異物混入に繋がる部品がない

食品工場では、異物混入のリスクを最小限に抑えることが最も重要です。

そのため、作業着はボタンやファスナー、金属部品が付いていないものがほとんどです。


特に、縫い目やポケットの多いデザインは異物が入り込みやすいため、シンプルなデザインのものが推奨されます。

また、糸くずが発生しにくい生地を使用していて、ほつれにくい加工が施されています。

作業着は定期的に点検し、破損や劣化が見られた場合はすぐに交換することで、衛生管理の向上につながります。


(2) 静電気が発生しづらい素材を使用している

食品工場では、静電気が原因でホコリや異物が付着しやすくなるため、作業着には静電気防止加工が施されています。

特に、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は静電気が発生しやすいため、綿や導電性繊維を混紡した素材が適しています。

これにより、作業中の異物付着リスクを軽減し、衛生管理を強化できます。


(3) 機能性が追求されている

食品工場の作業着は、衛生面だけでなく、作業のしやすさも考慮されています。

動きやすいストレッチ素材を使用した作業着や、通気性の良い生地を採用することで、長時間の作業でも快適に過ごせます。


また、撥水加工や抗菌・防臭加工が施された素材を選ぶことで、清潔な状態を維持しやすくなります。

さらに、頻繁な洗濯にも耐えられる洗濯耐性が高いものが選ばれています。


6.食品工場で服装・作業着以外の身だしなみで意識すべきポイント

食品工場で働く上で、服装・作業着以外にも、身だしなみで意識すべきポイントがあります。


どれも衛生管理の観点から重要なポイントなので、合わせて把握しておきましょう。


(1) 手に傷があるときは原則調理作業を行わない

食品工場での作業中に手に傷がある場合、細菌が傷口から食品に移る可能性があるため、原則調理作業を行わないようにしましょう。

傷がある場合は、食品と直接触れる作業を避け、適切な手袋を着用することが必要です。

また、傷口を防水性のある絆創膏でしっかり保護し、その上から手袋を装着することで、安全性を確保できます。


(2) 爪は短く切る

爪の間には汚れが溜まりやすいため、食品工場では爪を常に短く切り、清潔に保つことが求められます。

長い爪は食品に触れる際に異物混入の原因となるため、こまめに手入れを行いましょう。

また、ネイルアートやマニキュアは禁止されていることが多いため、工場のルールに従い、自然な状態で維持することが重要です。


(3) 衛生帽子から髪の毛がでないようにする

食品工場では、髪の毛の落下を防ぐため、髪型にも注意が必要です。

長い髪は結び、しっかりとキャップやネットの中に収納しましょう。

前髪も落ちないようにまとめることが大切で、短髪の方でも必ずキャップやネットを着用し、髪の毛が外に出ないように徹底することで、異物混入のリスクを軽減できます。


(4) 香りが強い柔軟剤は避ける

食品工場では、香りの強い柔軟剤や香水を使用すると、強い香りが食品に移る可能性があるため、避けることが推奨されています。

無香料または香りの弱い洗剤・柔軟剤を使用し、作業着から余計な香りが発生しないように心掛けましょう。


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